消費者編[4〜6位]
中間層が成長するアジアで消費者向けにさまざまな商品やサービスが登場している。何が注目されているのか。最近のNNAの記事からトップ10をまとめた。
見えた! ふりかけ市場
三島食品、ご飯に彩りNNA POWER ASIA 2017年10月11日付
中国
「ゆかり」で知られる三島食品(広島市)が、中国でふりかけ市場の開拓を進めている。ご飯にふりかけをかける習慣のない中国では、消費者にとって全くといっていいほどなじみのない商品。日本料理店などへの地道な営業でファンを増やし、一般家庭へと販路を広げていく戦略だ。
中国事業拠点である大連三島食品の韓仲慶総経理は「ここに来て、ふりかけの市場が見えてきた」と手応えを語る。コンビニエンスストアなどで売られるおにぎりが日常的に食べられるようになったことや、この4~5年で日本を旅行する中国人が増え、ふりかけという食品が認知され始めたことが背景にあるという。
中国では調味料やレトルト食品など多種多様な製品を手掛ける三島食品だが、なんといっても赤シソのゆかりをはじめとするふりかけは同社の代名詞。とはいえ、いきなり中国の家庭にふりかけを売り込むのはハードルが高い。そこで同社がまず力を入れてきたのが業務用市場だ。
「中国の日本料理店ではこれまで白いご飯を出していたが、それだけでは寂しい。ふりかけをかければ彩りが華やかになり、味もおいしいでしょう」。営業先でそうした提案が受け入れられるようになったと説明する韓総経理。業務用の市場が広がれば、それが次第に家庭へも波及していくと期待する。
熊本産フルーツを発売
J&J事業創造が観光農園サイトでNNA POWER ASIA 2017年10月5日付
シンガポール、香港
JTBとカード大手JCBの合弁会社J&J事業創造(東京都港区)は10月4日、同社が運営する外国人向け観光農園紹介サイト「ジャパン・フルーツ」で、シンガポールと香港向けに熊本県産フルーツの販売を開始した。
サイトではフルーツ狩りが行える観光農園の情報を訪日外国人向けに発信。日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、タイ語で、全国約770カ所の農園の情報を掲載している。
越境電子商取引(EC)機能を取り入れ、第1弾として観光マーケティング事業を手掛けるくまもとDMC(熊本市)と連携して熊本県産の新興梨、富有柿、温州みかんを発売した。販売期間は来年10月3日まで。果物は季節に応じて入れ替える。
アデランスがアジア強化
企業買収や新事業も検討NNA POWER ASIA 2017年10月4日付
香港
アデランス(東京都新宿区)がアジアでの事業を強化する。向こう10年で売上高に占める海外事業の割合を、現在の約半分から7割まで拡大する方針で、これまで注力してきた北米と欧州に続く成長市場として、香港とシンガポールを主力ととらえアジア開拓を積極化する。アジアでの売り上げは10年後に現在から約5倍の50億円を目指す。現地企業の買収も視野に入れるほか、香港では医療発毛事業の展開も検討する。
9月末の香港1号店の開業式に出席した津村佳宏社長がNNAの取材に答えた。津村社長は、タイや中国など、これまで生産国だった国・地域が消費市場へと変わっていることに加え、マーケットの規模も大きいと指摘。さらに、美容意識も高まっているとして、「(アジアが)われわれのビジネスで有力な市場になる」と述べた。
アジアでは現在、台湾、中国・上海、シンガポール、香港に販売拠点を開設。将来はタイ、インドネシア、マレーシア、ベトナムへの展開を考えている。