消費者編［１〜３位］

中間層が成長するアジアで消費者向けにさまざまな商品やサービスが登場している。何が注目されているのか。最近のＮＮＡの記事からトップ10をまとめた。

インドネシア初の屋内遊戯施設
イオンファンタジーがオープンNNA POWER ASIA　2017年９月27日付

インドネシア

インドネシアで初めてオープンする遊戯施設「ＦＡＮＰＥＫＫＡ」＝９月26日、ジャカルタ（ＮＮＡ撮影）

ファミリー向け屋内遊戯施設を運営するイオンファンタジーは９月30日に、インドネシアで遊戯施設「ＦＡＮＰＥＫＫＡ（ファンペッカ）」１号店をオープンする。北欧フィンランドの文化や教育的要素を取り入れた新しいコンセプトの施設で、年間20万人の来場を見込む。イオンファンタジーが海外でファンペッカを運営するのは中国、マレーシア、タイに続き４カ国目。

ファンペッカ１号店は首都ジャカルタで９月30日開業の複合商業施設「イオンモールジャカルタ・ガーデンシティ」に設置。面積は1,800平方メートルで、帆船形や古城形のアスレチック、フィンランドの伝統的な遊びで、親が子どもに小さな家を作ってあげる遊び「レイキモッキ」など多様なコンテンツがある。ボールプールの中に氷山をイメージしたクライミングウォールがあるアスレチック施設「ロッククライミング」は、ジャカルタで初めて導入した。

入場対象年齢は12歳まで。３～８歳をコアターゲットとしている。子どもの入場料（１日料金）は、平日が17万ルピア（約1,430円）、土日、祝日が23万ルピア。付き添いの保護者の料金は５万ルピア。会員には割引料金を設定するほか、子ども１人と大人１人の２人分がセットになった回数券（10回券、20回券）も割安で提供する。

タイ東部でホリデイ・イン展開
経済回廊の出張者需要を取り込みNNA POWER ASIA　2017年10月５日付

タイ

「ホリデイ・イン＆スイーツ・ラヨーンシティー・センター」の客室（フェリシティー・アセット提供）

タイ東部で不動産開発を手掛けるフェリシティー・アセットは10月４日、東部ラヨーン県の中心部に英「ホリデイ・イン＆スイーツ」ブランドの４つ星ホテルを９月に開設し、11月に全面開業すると発表した。投資額は25億バーツ（約84億4,000万円）。経済特区（ＳＥＺ）「東部経済回廊（ＥＥＣ）」への投資の活発化で、外国人の出張者や長期滞在者が増えると見込む。

ラヨーン市中心部の商業施設「パッション・ショッピングデスティネーション」横の土地（面積約3,200平方メートル）で、32階建てのホテル「ホリデイ・イン＆スイーツ・ラヨーンシティー・センター」を開業した。総床面積は３万9,655平方メートル。客室数は288室で、32平方メートルのスタンダードが224室、長期滞在向けの64平方メートルのスイーツが64室を占める。全室にワークスペースを設けるほか、ホテル内にラウンジ、会議室、イベントホール、プール、フィットネスクラブなどを備える。

宿泊料は１泊3,000バーツから。10月末まで特別価格の2,555バーツで提供する。長期滞在は10日間、１カ月など要望に応じて受け付ける。料金の目安は、３カ月滞在の場合で月額９万バーツ（朝食込み）からという。

結婚式が変化、短期で豪華に
「伝統」から「豊かさ」示す場へNNA POWER ASIA　2017年９月27日付

カンボジア

ソカ・プノンペン・ホテル＆リゾートの大宴会場（同ホテル提供）

カンボジアの結婚式市場に変化が出始めている。経済成長の恩恵を受けた都市部の若年層を中心に、伝統挙式よりもカジュアルな欧米スタイルを好む層が増加。仕事で忙しいことを反映し、従来の半分の１日半に短縮するプランが人気だ。２万～10万米ドル（約220万～1,100万円）を支出して豪華な披露宴を開く傾向も強まり、社会的な豊かさを示す場になりつつある。

サイ・サムフォースさん（29）は昨春、首都プノンペンの王宮近くにある５つ星のホテルで結婚式を挙げた。カンボジアと中国の様式に欧米のトレンドを取り入れた披露宴の会場は生け花で装飾され、５段に重なったウエディングケーキや豪勢な食事が並ぶ。生演奏も行われ、日米欧の披露宴と遜色ないほど豪華絢爛（けんらん）だった。

１日半にわたった結婚式の費用は12万米ドル。飲食店を数店舗経営する家族の金銭的な支援にあり、結婚式は無事に終わった。費用はかさんだが、サイ・サムフォースさんは満足げだ。「祝福しに来てくれた人たちを最大限にもてなすことは、私と夫にとってとても大事なの。お金がかかるのは当然よ」。

海外の学校に通っていたサイ・サムフォースさんは就職先も海外。現在はカンボジアで家族のビジネスに携わる。夫も海外生活が長かった。２人の結婚式は、短期で豪華に挙げる結婚式の「いま」を映している。