［１〜３位］

NNAが日々伝えるアジアの経済ニュース。最近の記事から注目トピックをピックアップした。

堅調な伸び目立つ高級車市場
半期で前年比８％増、通年10％もNNA POWER ASIA　2017年８月１日付

インドネシア

発売当日に５台成約となったレクサスの高級クーペ「ＬＣ500」（ＮＮＡ撮影）

今年はインドネシアの自動車市場全体が通年で４％成長と予測されている中、高級車市場は10％成長する見通しで堅調な伸びを示している。上半期（１～６月）は６億ルピア（約500万円）以上の車種の販売台数（ディーラーへの出荷ベース）が前年同期比８％の伸びだった。世界的に見てもインドネシアは潜在的な高級車市場と認識されており、景気の先行きが不透明な中でも安定した成長を維持しているようだ。

インドネシア自動車製造業者協会（ガイキンド）の統計によると、上半期に最も売れた高級車はドイツのメルセデス・ベンツで2,098台。これにドイツのＢＭＷが1,180台、トヨタの高級車ブランド「レクサス」が724台、ＢＭＷ傘下の「ミニ」が236台と続いた。

ガイキンドのヨハネス・ナンゴイ会長は、高級車市場が拡大している背景について「高級車購入の主力となる上位中間層は、景気の動向にも影響を受けず、購買力も安定している」と説明。国内自動車市場の中核車種である多目的車（ＭＰＶ）やスポーツタイプ多目的車（ＳＵＶ）と比べれば販売台数は圧倒的に少ないものの、「独自の販売層と販売目標を持っており、堅調な成長を見せている」と述べた。

インベストール・デイリーによると、米コンサルタント会社ベイン＆カンパニーは、インドネシアを世界で有数の高級車市場と指摘している。同社によると、中東、ロシア、中国と並んでインドネシアの高級車販売台数は大きく伸長した。

「ｏｆｏ」が日本進出
ＳＢと提携、中国２強が出そろうNNA POWER ASIA　2017年８月11日付

中国

ｏｆｏやモバイクで通勤する北京市民。シェア自転車は昨年、中国の都市部で一気に普及した

中国の自転車シェアリングサービス大手、北京拝克洛克科技（ｏｆｏ）が日本進出を決めた。ソフトバンクグループのソフトバンク コマース＆サービス（ソフトバンクＣ＆Ｓ）と共同で、９月に東京と大阪でサービスを開始する。競合の北京摩拝科技（モバイク）も６月に日本進出を発表しており、中国で一気に普及した新たな移動手段が日本でも定着するかが注目される。

ｏｆｏとモバイクは、２社合わせて世界で1,400万台超の自転車を投入するシェア自転車サービス業界の２大巨頭だ。

ＩＴ関連製品の製販を手掛けるソフトバンクＣ＆Ｓは８月９日、ｏｆｏとの間で、ｏｆｏの自転車シェアサービスを日本国内で展開していくことで合意したと発表した。

ソフトバンクＣ＆Ｓは中国から世界へと普及が広がりつつある同サービスに注目し、参入を検討していたところ、海外進出に積極的なｏｆｏとの間でニーズが合致し、協業合意に至ったという。日本での展開においてソフトバンクＣ＆Ｓはｏｆｏの拠点網の企画と開発、マーケティングを担当し、９月以降に東京と大阪の２都市でサービスを開始する。ゆくゆくは日本全国で自転車シェアリングを展開していく計画だ。

アトレ、来年秋に台湾進出
微風広場と運営合弁、50店入居へNNA POWER ASIA　2017年８月９日付

台湾

完成間近の「台北南山広場」＝台北（ＮＮＡ撮影）

ＪＲ東日本グループで日本の駅ビル開発や運営を手掛けるアトレは2018年秋にも、台湾の「微風（ブリーズ）」ブランドのショッピングセンター（ＳＣ）を展開する微風広場実業（ブリーズ）が新規開業する「微風南山」にＳＣの「アトレ」を出店する。アトレが海外に進出するのは初めて。ＳＣ内に別のＳＣが並立する形で共同運営する初の試みで、日本の流行ブランドが集積する点を全面に押し出し、台湾の若手女性層を主要顧客に据える。

アトレの一ノ瀬俊郎社長、ブリーズのグループ本部に当たる長僑投資開発の廖鎮漢董事長、両社をサポートする三井物産の佐藤真吾執行役員（機械・輸送システム第一本部長）らは８月８日、東京で事業概要を発表し、ＳＣ事業を３社共同で推進していく意向を明らかにした。三井物産は台湾高速鉄道（台湾高鉄）など台湾での事業経験が豊富で、台湾でも駅や駅隣接地など人が集まる場が今後、商機となる可能性が高いとみて参画した。

「微風南山」は、生命保険台湾大手の南山人寿保険が台北市信義区で建設中の超高層ビル「台北南山広場」の低層部分に開業。延床面積約５万4,000平方メートルに約200店を展開し、このうち２～４階の約１万2,500平方メートルでアトレが約50店を設ける。テナントの内訳は現時点で未定だが、日本を含むグローバルブランドや台湾の人気ブランドが集結する予定。