インフラ編[4〜6位]
クラーク開発に日本の技術を
日立がスマート都市事業化調査NNA POWER ASIA 2017年6月29日付
フィリピン
日立製作所は、フィリピン・ルソン島中部のクラークで計画されている都市開発への参画を目指し、電力と熱利用の最適化に関する事業化調査(FS)を6月から実施している。日本のスマートシティーに導入したエネルギー管理システムの技術やノウハウを、フィリピンの都市開発に生かしたい考えだ。
フィリピンの基地転換庁(BCDA)が主導する「クラーク・グリーン・シティー(CGC)」の計画で、電力と熱利用の最適化に関するFSを約6カ月かけて実施している。
CGCは、面積9,450ヘクタールの用地に環境配慮型の都市を開発する事業。BCDAと地場不動産開発のフィリンベスト・ランド(FLI)が、第1期として広さ288ヘクタールの区画に複合地区を計画し、2018年末までに着工する予定だ。
地場財閥や外資系企業は、システムや製品の提供、電力供給などを通じて都市開発への参画を狙う。日立アジアの清水光彦フィリピン支店長は、「エネルギー関連の事業に貢献したい」と述べた。
高速鉄道入札説明会に165団体
日本、個別会談は「有意義な内容」NNA POWER ASIA 2017年7月6日付
マレーシア、シンガポール
マレーシアのクアラルンプール(KL)とシンガポールを結ぶ高速鉄道(HSR)事業のインフラ管理会社の入札に関する説明会が7月5日、シンガポールで開催された。JR東日本などでつくる日本コンソーシアム(連合)、中国、韓国、欧米などの海外、マレーシアとシンガポールなどの団体が参加。日本連合は個別で約1時間半の会合を行い、関係者は「有意義な内容だった」としている。
マレーシアでHSR事業を主管する政府系企業MyHSR、シンガポールの陸上交通庁(LTA)によると、鉄道事業者などでつくる企業連合や車両メーカーなど165団体、約400人が参加。アジア勢は、日本政府が新幹線採用を働きかけている日本の企業連合(JR東日本、住友商事、日立、三菱重工業)のほか中国、韓国の企業連合なども参加した。
インフラ管理会社の調達目標として、優先順に▽安全性▽有用で信頼できるシステムの供給▽事業のニーズに見合う技術ソリューション▽運行事業者の要件に合う運営の柔軟性▽利用者重視の設計▽資金力・財政的持続性▽MyHSR、LTAと協調した事業執行──の7項目が示された。
川重とインド電機大手が提携
新幹線車両の受注視野NNA POWER ASIA 2017年6月30日付
インド
川崎重工業は6月29日、インドの国営電機大手バーラト重電機(BHEL)と提携したと発表した。BHELが計画しているステンレス鋼製電車工場の建設に対して、川重が技術支援する。日本の新幹線方式を採用して建設される高速鉄道向け車両の共同受注に向けて協業することでも合意した。
インド国内の都市高速鉄道(メトロ)などに使用されるステンレス鋼電車の工場建設に関して、川重が技術支援するとともに、ステンレス鋼製電車の技術移転を行う。工場の建設場所などについては明らかにしていない。
西部マハラシュトラ州ムンバイと同グジャラート州アーメダバードの約505キロメートルを結ぶ高速鉄道については、インド国内での車両製造を視野に入れた協業を行う。高速鉄道は2017年着工、23年開業が予定されている。インドで導入される新幹線の車両形式を生産しているのは川重と日立製作所のみとなっている。