メキシコはいま
自動車産業が集積するバヒオ地域から
2016年の自動車生産台数が世界7位の約360万台に達したメキシコ。日米欧の完成車メーカーが生産拠点を設け、北米自由貿易協定(NAFTA)を活用した対米輸出が多い。世界46カ国と自由貿易協定(FTA)を結ぶFTA大国でもある。また中国などと比較して低賃金であることも魅力に挙げられる。現在、完成車やティア1(一次下請け)メーカーの進出は一服。産業の裾野を広げるためティア2(二次下請け)、ティア3(三次下請け)の進出が求められており、アジアの製造業分野の駐在員が多い本紙読者の間でも注目度は高い。
トランプ米大統領が保護主義的通商政策を打ち出して以降、日本ではメキシコビジネス環境の先行き不透明感が一時高まったが、日系を中心に自動車産業が集積する中央高原(バヒオ地域)一帯を回ると、各社は粛々と事業を進めていた。欧米系、アジア系は米国の政策に振り回されず積極的に投資を続けているようだ。メキシコはいまどうなのか。現地リポートをお送りする。