NNAカンパサール

アジア経済を視る June, 2017, No.29

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GLASIAOUSで「仕組み」構築を

海外子会社の現地化を実現

GLASIAOUSで「仕組み」構築を 東洋ビジネスエンジニアリング株式会社ロゴ

多くの企業が海外に進出する中、その拠点の現地化によるコストダウンは課題の一つだろう。現地化には組織づくり、優れた人材、業務プロセスや財務情報などの正確性、継続性などが求められるが、スムーズにいかないことも少なくない。一方、現地拠点の税務、財務業務を担う会計専門家からは東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)が提供する海外向けERPパッケージ「A.S.I.A.(エイジア)」を実装した「クラウド型国際会計サービス GLASIAOUS(グラシアス)」の導入により業務が回る「仕組み」を構築し、海外子会社の現地化を実現したとの声も聞く。会計専門家が一堂に会したB-EN-G「mcframe Day 2017」のセッションから、本社として何に着目、着手すべきかヒントを探った。

mcframe Dayは2月中旬に開催、“日本の製造業に、ものづくりのためのITを”をテーマに、B-EN-Gが毎年開いているイベントだ。そのセッションの一つとしてGLASIAOUS対応の会計事務所の専門家が集まり、海外拠点管理を成功させるためのノウハウや課題解決を実現する改善ポイントなどを話し合った。

「現地化=管理放棄」ではない

名南経営グローバル・パートナーズ 佐分和彦 代表取締役

名南経営グローバル・パートナーズの佐分和彦代表取締役は企業の海外拠点の問題として、「拠点の原価率が低くても、日本の本社は原因を追究しきれていない。“現場の管理者がOKしないから追究できない”との声すらある」と指摘。その上で「現地化は本社が管理機能を放棄することではない」と強調した。

ただ、本社も人手不足であることは確か。フェアコンサルティングの平谷英一シニアマネージャーによると、「企業は管理部門の日本人出向者を現地に派遣するだけの人材リソースが足りない。日本の業務も回らない中でなかなか派遣できない状況がある」という。

また、海外では転職する人材も多い。海外拠点の財務担当者が頻繁に替わり、さらに会計事務所も変更になると、日本の本社から見ればデータの継続性や信頼性すら揺らぎかねない。担当者が替わってもうまく回るような管理サイドの仕組みを作っておくことも重要だ。

フェアコンサルティング 平谷英一 シニアマネージャー

永峰三島会計事務所 西進也 会計グループパートナー

永峰三島会計事務所の西進也会計グループパートナーは日本で欧米系企業の顧客と接した経験から「欧米の企業は本国と同じ会計処理方法を日本でも用いるよう厳しく求めてくる」と説明。日本企業も海外拠点に対しては統制をとり、日本と同様に処理するよう要求すべきとした。海外投資する場合、執拗にいろいろな質問をしていかないと「本当のことは全然分からない」という。

プロと組む

グローバル・パートナーズ・コンサルティング 関口泰央 代表取締役社長

一方、アジアは多言語であり、国により法律なども全く異なるという問題がある。グローバル・パートナーズ・コンサルティングの関口泰央代表取締役社長によると、顧客の中には、「日本の本社が海外拠点を監査しようとしてもできない」と漏らす所もあるそうだ。ただ、本社で全て人材を用意して行う必要はなく、現地の監査法人や会計事務所など、現地の言葉が分かり、現地の事情を熟知しているプロフェッショナルと組むことも一つの方法であると認識する必要もあるだろう。プロと組むことで業務プロセスをルーティンとして回せる仕組みが作れそうだ。

本社機能発揮

本社機能の強化と現地化のバランスをいかに取るかということは古くからある課題だ。財務の観点で見ると、最近はクラウドサービスが発達し、世界のどこにいても子会社の財務データにアクセスできるようになってきた。

クラウドを活用することで本社機能が発揮できるという。佐分氏によると、顧客がGLASIAOUSを導入したところ、それまで日本の本社から毎月1回2週間程度、海外拠点に足を運んでいたのが3日間で済むようになった。海外拠点が現地語でデータを入力しても、GLASIAOUSの自動翻訳や為替の自動計算によって本社は日本語で把握できる。本社は現地の責任者を通さずに財務データを直接見ることができるので、賃借対照表の運用と調達という観点からも本社はその管理機能を発揮できる。

いち早く把握

BDO税理士法人 長峰伸之 統括代表社員

海外拠点で問題が発生しても、GLASIAOUSを使っていればすぐに発見できるのもメリットだ。BDO税理士法人の長峰伸之統括代表社員は「財務処理をアウトソーシングすると、万一何かあった場合、本社が気付くのに時間がかかる。処理の過程も“ブラックボックス化”していたが、GLASIAOUSならこの部分も明確になり、いち早く把握」できるようになったという。現在は海外のメンバーファームが顧客の現地拠点にて英語でデータを入力し、日本の本社と一緒に月次決算を組んでいる。ブラックボックスもなくなったのでガバナンスも大幅に向上した。

GLASIAOUSの仕組み

これまでの海外拠点の会計システムは、いわゆる「箱」、つまりシステムの導入そのものに費用と時間をかけてきた側面があった。しかし現在はGLASIAOUSによって日本の本社で拠点のデータをすぐに確認できる上、蓄積されたデータに基づき、経営の高度化を目的としてグローバル会計事務所から「こういう点に手をつけた方が良いのではないか」などのプロフェッショナルサービスも受けられる。これから海外拠点の管理や統制はよりやりやすくなっていくだろう。

GLASIAOUS対応の会計事務所

東洋ビジネスエンジニアリング株式会社

TEL:03-3510-1596
FAX:03-3510-1627
Email:sales-asia@to-be.co.jp
海外現地法人:中国(上海)、タイ(バンコク)、シンガポール、インドネシア(ジャカルタ)

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