自動車編[4〜7位]
日産とタンチョン、ヤンゴンで現地生産開始NNA POWER ASIA 2017年1月19日付
ミャンマー
日産自動車とマレーシア系のタンチョン・モーター(ミャンマー)は1月18日、ミャンマーで自動車生産を始めたと正式発表した。生産するのはセダン「サニー」で、当面はタンチョンが最大都市ヤンゴンに持つ既存施設で小規模な組み立てを行う。昨年後半から予約を受け付けていた。将来的には中部バゴー管区に設ける本格的な工場に生産を移管する計画。
マレーシアのタンチョン・モーター・グループ(TCM)の顧問タン・セン・サン氏は18日、ヤンゴンでの式典で「サニーの生産開始は、今後の自動車産業の発展に向けミャンマー政府に対する支援とコミットメントを強化するもの」と強調した。
日産のアジア・オセアニア事業担当理事、真田裕氏も「ミャンマーの自動車産業の成長を担うプレーヤーになる」と強調。「ミャンマーの皆さんと長期的かつ生産的な関係を構築し、サプライチェーン(供給網)を通じて価値を創出。雇用や投資を活性化していきたい」と述べた。
日産とタンチョンは今後、ミャンマーで生産車種の増加や生産能力の拡大を目指す。昨年2月にはヤンゴンの北バゴー管区で工場用地の賃借契約に調印。約5,000万米ドル(約57億円)以上を投資し、年産能力1万台の工場を設ける計画だ。
式典に参加したヤンゴン管区のピョー・ミン・テイン首相は、バゴー工場の計画に触れ「現地に投資や雇用の機会がもたらされ、経済成長や所得水準の向上が促される」と歓迎の意を示した。
タンチョンはマレーシアとベトナムで日産車を組み立てているほか、両国とシンガポール、カンボジア、ラオス、ミャンマーで日産車の独占販売権を持つ。タンチョン・モーター(ミャンマー)は2013年5月設立で、ヤンゴンのカマユ郡区に日産車の3S(販売・サービス・交換部品)店を開設している。
日本の自動車メーカーでは、スズキが子会社スズキ・ミャンマー・モーター(SMMC)を通じ、ヤンゴンの南ダゴン郡区の工場で小型トラック「キャリイ」や小型多目的車(MPV)「エルティガ」を小規模生産している。ヤンゴン近郊のティラワ経済特区(SEZ)で昨年末、本格的な工場を着工した。
乗用車市場、中間層台頭で年11%の成長予測NNA POWER ASIA 2017年2月23日付
インドネシア
調査会社ブランド・アンド・マーケティング・インスティテュート(BMI)リサーチは、インドネシアの乗用車市場が、2021年まで毎年平均11.5%の水準で成長を続けるとの予測を示した。上位中間(アッパーミドル)層の増加が、乗用車市場の成長をけん引すると分析している。2月22日付インベストール・デイリーが伝えた。
BMIリサーチは、世帯年収が1万〜2万5,000米ドル(約113万〜283万円)の世帯数の割合が、今年の23.2%から21年には38.4%まで拡大すると予測。一方で、世帯年収が5,000〜1万米ドルの世帯数の割合は、今年の41.4%から21年には23.2%に縮小する見通しという。
セダンタイプの乗用車の販売価格は平均1万〜8,000米ドル程度となっており、上位中間層の台頭で乗用車の販売台数は急増するとの見解を示した。
米調査会社フロスト&サリバン(F&S)は先に、今年のインドネシアの自動車販売台数について、経済成長に伴う購買力の向上やルピア相場の安定のほか、タックス・アムネスティ(租税特赦)制度の成功や中間層の増加などで、前年比5%増の111万3,000台に達するとの予想を発表していた。20年には、中間層の人口が全人口の6割に当たる1億5,000万人に達すると試算している。
新車販売2802万台で過去最高
16年統計、8年連続世界一NNA POWER ASIA 2017年1月13日付
中国
中国自動車工業協会は1月12日、中国における2016年の新車販売台数が前年比13.7%増の2,802万8,000台に達し、過去最高を更新したと発表した。政府の小型車減税策を追い風に販売が拡大し、伸び率は前年を9.0ポイント上回った。同協会によると中国の新車販売は8年連続で世界一となっている。
新車販売のうち乗用車は14.9%増の2,437万7,000台だった。セグメント別では、セダンが3.4%増の1,214万9,900台、スポーツタイプ多目的車(SUV)が44.6%増の904万7,000台、多目的車(MPV)が18.4%増の249万6,500台、クロスオーバー車(CUV)が37.8%減の68万3,500台となっている。
政府が15年10月から開始した排気量1600cc以下の乗用車に対する車両購入税を50%引き下げる減税措置により、対象となる小型車の販売は21.4%増の1,760万7,000台となり、乗用車販売全体の72.2%を占めた。
中国ブランドの乗用車販売は20.5%増の1,052万9,000台となり、全体の43.2%を占めた。シェアは前年から2ポイント上昇している。日野自、中型トラック新500シリーズを投入NNA POWER ASIA 2017年2月20日付
マレーシア
日野自動車の販売合弁会社、日野モータース・セールス・マレーシアは2月17日、中型トラック「レンジャー(500シリーズ)」の次世代モデルをマレーシア市場に投入した。安全性と経済性をアピールして売り込みを図り、トラック市場で同社が持つ存在感をさらに高める
日野モータース・セールス・マレーシアの岩本社長(左)は、新たな500シリーズの販促強化に意欲を示した
新500シリーズの投入は、インドネシア、タイ、日本に次ぐ4カ国目となる。11種類のモデルが用意され、このうち1モデルは、500シリーズ初の(AT=オートマチックトランスミッション)モデルだ。国内販売車種は全て、ヌグリスンビラン州スレンバンの合弁工場で、完全ノックダウン(CKD)方式で生産する。
エンジンには、欧州の排ガス規制「ユーロ3」または「ユーロ2」基準を満たし、燃費を向上させたコモンレールシステム最新ディーゼルエンジンを搭載。経済性が高まっている。
クアラルンプール(KL)で開催した発表会で、日野モータース・セールス・マレーシアの岩本顕社長は、「新しい500シリーズの投入で、トラック市場における顧客からの信頼感を高めたい」と述べ、売り込み強化に意欲を示した。具体的な販売目標数値は明らかにしていないが、17年の販売目標に掲げた6,000台のうち、新500シリーズを含む中・大型トラックとバスで約20%を占めたいと述べた。