『仕事も人間関係もうまくいく　ＡＮＡの気づかい』

帯の惹句に「あの人、困ってないかな？」「たった1秒の想像力で、結果が変わる」とある。まさにその通り。何もサービス業だけでなく、すべての産業、ひいては日常生活の、人生のあらゆる場面で言えることだ。

日本のキャリアではない飛行機に乗ってアジアに行くとき、この客室乗務員（ＣＡ）はなぜムスッとしているのだろう、と考えるのも長い機内での時間をやり過ごす一つの方法。だが、本書を読むと、ＣＡは実にさまざまな観察を行い、乗客にいかに快適に過ごしてもらうよう努力しているかが分かる。国は違えどＣＡはＣＡ、意地悪な見方はやめようと思わされる本でもある。

本書はまず、「気づかいは成果に必須のビジネススキル」と説く。「気づかいは５秒先の未来を想像する力」とも。本紙の読者にはアジアを飛び回っているビジネスパーソンも少なくないはず。異動の季節、冒頭で紹介した惹句に倣うなら、「この市場、必要としているのは何かな」、と少し先の未来を考えながら、飛行機の窓の下に広がる新任地に赴いているのだろう。

累計販売10万部超の人気シリーズ第2弾。

『仕事も人間関係もうまくいく　ＡＮＡの気づかい』

ＡＮＡビジネスソリューション　KADOKAWA
2015年12月発行　1,400円＋税

仲間を気づかわない人は、お客様も気づかえない（本書より）

• ・「気づかい」は成果に必須のビジネススキル
• ・「お客様をよく見る」のが接遇の基本
• ・初対面で「すぐに打ち解ける」にはコツがある
• ・気づかいの「マジックフレーズ」で人を動かす
• ・ＡＮＡ流「上司から部下」への気づかい