ASEANの成長市場
日系自動車メーカーの選択
ベトナムとフィリピンの自動車市場が好調だ。2016年の自動車販売台数はいずれも2桁の増加となり、東南アジア諸国連合(ASEAN)市場全体の伸び(3.1%)を大きく上回った。うちベトナムでは、国産車の販売が伸びをけん引した。ただ、同国では18年に、ASEAN域内の他国からの輸入完成車に課せられる関税が撤廃される。生産コストが安いタイやインドネシアから輸入を増やして需要の拡大に対応する選択肢もあるはずだが、外資系で最大手のトヨタ自動車はどうするのか。先行して関税を撤廃しているフィリピンではトヨタと三菱自動車が、国内生産を後押しする政府のプログラムに参加した。ASEANの成長市場は生産拠点としても成長できるのか。日系大手2社の動きを追った。