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【2014年 給与動向調査結果】上昇傾向に歯止め、日系企業の昇給率見込み
アジアに進出する日系企業の今年の賃上げ率見込みは、14年実績を下回る国が大半となり、これまで続いてきた賃金高騰にややブレーキがかかりそうなことが、NNAの調査で分かった。ただ依然として賃上げ率は高めで、7割の企業が「許容できる賃金水準は現在の1.5倍まで」と回答。このまま上昇が続けば生産拠点の移転や駐在員削減なども視野に入れる必要がありそうだ。
調査は昨年10月から11月にかけてアジア12カ国・地域で実施。調査対象は日系企業1万7,000社で、638社から回答を得た。
日系企業最大の進出先である中国の賃上げ率見込みは7.9%で、14年実績の9.0%から減速。中国に代わる投資先になりつつある東南アジアでも、インドネシアが10.7%、ベトナムが9.3%で、それぞれ14年実績を下回った。インドは10.8%で、14年実績の11.0%からやや下がった。
自動車産業を中心に製造業が集積するタイは5.0%で、14年実績の4.9%をわずかに上回った。新興国として注目されるミャンマーは9.2%で、14年実績の8.8%から上昇した。
依然2桁台の上昇も
一時の賃金高騰からはやや落ち着いたものの、インドとインドネシアで10%を超えるなど、アジアの賃上げ率見込みは依然高い水準にある。調査では、85%を超える企業が現在の賃金水準を「高い」と感じていることが分かった。
今後の賃金水準について「どの程度まで許容できるか」を聞いたところ、約7割の企業が「現在の1.5倍まで」、約1割が「現在の2倍まで」と答えた。
仮に許容範囲を超えた場合は、2割以上が「国内の別の地域もしくは国外移転を視野に入れる」、1割近くが「拠点のある国・地域から撤退を検討する」と回答。それ以外では「日本人駐在員を削減する」「生産ラインを自動化する」などの声が挙がった。
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