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2017年2月1日

より安全に、より便利に
UnionPay(銀聯)が“かざして”開く、スマホ決済

金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」によって買い物の形が変わろうとしている。スマートフォン(スマホ)などのモバイル端末を使った決済サービスが普及し、買い物に財布は不要になるかもしれない。世界最大級の会員規模を誇る国際カードブランド、UnionPay(銀聯、ぎんれん)はIT企業と協力し、新しい支払いサービスの開発を絶えず進めている。急速に拡大するモバイル決済市場とUnionPay(銀聯)の取り組みを紹介する。

スマホ決済時代の幕開け

スマホ決済

昨年9月、米アップルは新型スマホ「iPhone7」の発表会で、日本市場向けにJR東日本の「Suica(スイカ)」と提携したモバイル決済サービス「アップルペイ」の投入を発表。日本でも大きな話題となった。日本では他にも、LINEの「LINEペイ」や、グーグルの「アンドロイドペイ」など新たなサービスが続々と登場、まさに群雄割拠の市場だ。UnionPay(銀聯)も「クイックパス」という決済サービスを中国をはじめ世界で展開している。具体的な時期までは公表できないものの、現在日本進出の準備を進めているという。

モバイル決済はスマホなどの端末本体を「かざす」方式と画面を「見せる」方式の大きく2種類がある。日本ではスイカや楽天Edyなどの電子マネーに採用されている「かざす」方式のサービスが広く普及している。ソニーが開発した「FeliCa(フェリカ)」という非接触ICカード技術で、世界では近距離無線通信技術(NFC=ニア・フィールド・コミュニケーション)と呼ばれる技術が用いられている。UnionPay(銀聯)のクイックパスもNFCを使っている。一方の「見せる」方式は利用者がスマホアプリでQRコード(二次元バーコード)を表示させて、店舗のタブレット端末などで決済する。LINEペイやグーグルペイがこれに該当する。店舗は専用端末がなくてもQRコードを読み取れるスマホやタブレットがあれば導入できる手軽さが特徴。

利便性とともに、安全性を追求

どのような決済方式においても、最も重要なのは安全性。スマホ決済は、消費者の利便性が向上するという点で望ましいが、「安全な決済システムが提供できる」という大前提が守られなくてはならない。偽造やスキミングなどの犯罪対策として、磁気カードからICカードへの移行を進めてきたように、スマホ決済においても、情報の悪用を防ぐ技術は不可欠である。

ICカードで培った、暗号化などの技術はスマホ決済にも応用されており、UnionPay(銀聯)のクイックパスでは利用者のカード番号などの情報をトークンという別の文字列に変換してやりとりするなど、複数のセキュリティー手法を用い、万が一情報が流出しても不正利用できない仕組みになっている。現在、日本においても適切・安全な決済システムを提供すべく、監督官庁である経済産業省の専門家による指導や関連業界と連携しながら、準備を進めている。

「モバイル決済≠少額決済」

さらにUnionPay(銀聯)は、安全性を高めることで利用者に根付く「モバイル決済=少額決済」という固定観念を変えようとしている。日本の非接触IC決済は、交通機関の乗車券や自動販売機の支払で利用が普及したという背景がある。そのため、利用者は少額の取引に慣れてしまい、高額の支払いはクレジットカードで行い、少額の支払いのみモバイル決済というイメージを持つ人も少なくない。しかし、近年スマホのセキュリティー機能が向上しているため、スマホ決済こそ高額取引向けとも言える。例えば、指紋認証機能付きのスマホであれば暗証番号の代わりに指紋で本人確認ができる。

UnionPay(銀聯)は、地道に安全性を追求することで利用者、店舗双方にある固定観念を変えていきたいと考えている。

世界で使われる「クイックパス」

HCEクイックパス発表の会見の様子(UnionPay提供)

日本に先駆け世界ではすでに広く導入が進んでいるクイックパス。現在、中国、香港、マカオ、台湾、韓国、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどで利用可能だ。また、中国ではアップルと提携し、アップルペイをUnionPay(銀聯)カード利用者向けに提供をしている。世界での利用拡大は、セキュリティー保証の強化が高く評価されていることが大きな要因の一つだが、それだけではない。香港の某大手化粧品チェーンはすべての店舗のPOS(販売時点情報管理)端末をクイックパス対応にアップグレードしたという。同社のトップによると、利用者の多くはクイックパスを利用しており、支払い待ちの列で無駄な時間を費やすことが減ったという。財布を取り出し紙幣や硬貨を数えたり、アプリを起動する面倒な操作も必要ない。その名前が示す通り、スピーディに決済を済ますことができる。

さらに韓国では、昨年7月に「HCEクイックパス」という新たなサービスが開始された。韓国通信大手のKTとクレジットカード大手のBCカードとの提携でリリースされたこのサービスは、既存のクイックパスにHCE(ホスト・カード・エミュレーション)技術を応用しているのが特徴。これまでNFCではクレジットカード番号などの機密情報をSIMカードなどのハードウエアに登録・管理する必要があったが、HCEではクラウド上に登録ができる。そのため、NFCに対応していればどんな端末でもモバイル決済が利用できる。

UnionPay(銀聯)のグローバル戦略

銀聯国際の蔡剣波最高経営責任者はクイックパスを、UnionPay(銀聯)のグローバル展開において重要な事業の一つと位置付ける。UnionPay(銀聯)と商業銀行や大手携帯電話メーカーが協力して開始した事業であり、複数のモバイルブランドと互換性があり、多様な支払いチャネルで利用可能であるため、グローバルで横展開がしやすいという。

クレジットカード・デビットカード発行枚数の世界シェア(2015)

蔡氏はまた、「世界シェアナンバーワンの国際カードブランドとして、技術、ネットワーク、サービス面の優位性を発揮して、グローバル市場でのクイックパスの投入を加速していく」と自信を見せた。その上で、「より安全でより便利なクロスボーダー決済を追求し続けていく」と語った。

また、戦略的に銀行や旅行代理店、その他の団体の調査結果を基に、中国人のアウトバウンド購買動向を分析し、中国人の観光客が頻繁に訪れる市場に進出しているという。その意味でも中国人観光客に人気の日本は外せない。クレジット・デビットカード事業では加盟店を順調に伸ばし、日本進出を成功させたUnionPay(銀聯)。ネクストステップとして、クイックパスを通じたスマホ決済事業をどのように日本で展開していくのか、注目したい。

銀聯国際

UnionPay International Co., Ltd. www.unionpayintl.com

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