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在庫削減で問題を「見える化」

ロス・在庫の最小化はなぜ利益に直結するのか? 在タイ日系企業関係者がうなる、キャッシュフロー経営のノウハウを明らかにする。
2014年3月14日

第1回 在庫は仕事の質のバロメーター

高橋功吉氏

「タイの日系企業では多量の在庫を抱えた現場が少なくありません。工場の裏や中二階に上がれば無造作に積まれた部材の入った箱の山。これは貴重なお金が滞留在庫になって寝ていることに他なりません。経営者から従業員までが一丸となって、5Sと在庫の削減に真摯に取り組んでみてください。真に今の事業に必要な資産だけにすることで、キャッシュが生み出せ、現場は、がらりと変わりますよ」

経営コンサルティング会社、ジェムコ日本経営のグローバル事業担当取締役・高橋功吉氏は、在タイ日系製造企業のマネジメント層に在庫削減と5Sの必要性を説き続けている。話を聞く人たちの間からは「初めて聞く指摘もある」「基本的な改善をやりつくす難しさと重要性を痛感する」といった声が自然と聞こえてくる。

在庫を増やすと利益は増えるがキャッシュは減る

高橋氏の掲げるポイントは3点。

  • 「在庫は、調達した貴重なお金が、モノに形を換えた姿。お金がモノになって寝ているのと同じ」=在庫の削減はキャッシュ創出に直結する。
  • 「お金は血液と同じ。血液の流れが止まれば死ぬのは企業も同じ」=キャッシュフロー経営の推進が経営の基本。
  • キャッシュフロー経営を踏まえた“モノづくり”のあるべき姿は「部材を購入したら、すぐに加工・出荷し、お金に換えること」=部材や仕掛在庫、製品在庫としてお金を寝かすことなく、すぐにお金に換えることが大切。

在庫削減の重要性について、高橋氏は「売れないにもかかわらず、どんどん生産して在庫が増えた場合、利益とキャッシュはどうなるか」という簡単な問題を投げかける。答えは「利益は増えるが、キャッシュは減る」。売り上げ以上に大量に生産すれば製造原価は増えるが、1個あたりの原価では、固定費は少なくなり原価は下がる。「売上原価=期首製品棚卸高+当期製造原価-期末製品棚卸高」なので、どれだけ在庫を積んでも当期の売上原価に算入されることはなく、どんどん生産して在庫を積み増すほど、売上原価は下がり利益は出るということだ。しかし、材料費をはじめとした支払いは増え、利益が増えることで支払う税金も増えてしまうのでキャッシュは減ることになる。

在庫を積み増すことで、見掛けの利益は増えてもキャッシュが減る。これでは健全な経営とは言えないと高橋氏は断言する。さらに、在庫の保管コストがかかるなどの問題点も挙げる。「いかにお金を生み出すかが、経営の基本!」と高橋氏はキャッシュフロー経営の重要性を強調する。「自分の財布にいくら入っているか知っていても、会社にあるお金の額を知らない経営者は多い」と高橋氏が語るように、手持ちの支払い資金が無ければ、たとえ黒字経営でも倒産する危険がある。「こういうのが『勘定合って銭足らず』」(高橋氏)。

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記事一覧

第2回 滞留在庫を廃棄することでキャッシュは増える(2013/03/14)
第1回 在庫は仕事の質のバロメーター(2013/03/14)

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