北海で石油・ガス開発を手がける英国のイサカ(Ithaca)・エナジーは27日、イタリア石油大手エニの英国上流事業の買収に向けた独占交渉を開始したと発表した。取引が実現すれば、イサカは北海で事業を展開する独立系石油・ガス会社としては最大規模となる。
独占交渉の期間は4週間。買収対象の事業には、エニが昨年6月に49億ドルで買収した英国の同業ネプチューン・エナジーも含まれ、生産量は石油換算で日量計4万~4万5,000バレル。これらの事業を買収すれば、イサカの生産量は日量10万バレル超に達する。
エニは対価として、イサカが発行する新株を受け取る。これにより、エニは新生イサカの株式38~39%を保有することになる。
北海で石油・ガス開発を手がける各社は、新規油田への投資資金に加え、老朽化したガス・油田の廃止コストを確保する必要性に迫られているほか、2022年5月からは25%の超過利潤税も課されている。
英政府は先に、超過利潤税を1年延長し、29年3月まで課税する方針を打ち出した。こうした中、北海では今後も各社の事業統合が続く可能性もある。
なお、イサカがこの日に発表した23年12月期決算は、純利益が2億1,560万ドルとなり、前期の10億3,000万ドルから大幅に縮小した。同社は22年にロンドン証券取引所(LSE)への上場を果たしたが、株価はその後に約42%下落。1月にはアラン・ブルース最高経営責任者(CEO)が辞任し、イエン・ルイス最高財務責任者(CFO)が暫定CEOを兼任している。
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