欧州連合(EU)は25日開いた閣僚理事会で、ベトナムとの自由貿易協定(FTA)および投資保護協定(IPA)の締結を承認した。30日にベトナムの首都ハノイで調印式が行われる見通し。FTAが締結されれば、向こう10年で両国間の関税の99%が撤廃される。
欧州委員会とベトナムは、2015年12月にFTA・IPAの最終文書で合意しており、3年半をかけてようやく加盟各国の合意が得られた格好となる。EU側は30日の調印に先立ち、欧州議会の承認を得る必要があるが、一部の議員はベトナムの人権問題を理由にこれらの協定に反対している。
ベトナムは現在、EUからの輸入品に高関税を課しており、その税率は自動車では78%、ワインでは50%に上るが、FTAの締結によりこれらが最終的にほぼ撤廃される。ベトナムはコメやニンニク、砂糖などの農産物について、EUへの輸出枠を確保する一方、公共調達市場や郵便、金融、海運などのサービス市場を開放する。EUはこれにより、ベトナムへの輸出が29%、輸入が18%拡大すると見込んでいる。
EUがアジアの開発途上国とFTAを結ぶのは、今回が初めて。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国とのFTA締結は、シンガポールに続き2カ国目となる。EUはこれを機に、ASEAN加盟各国と貿易協定を結ぶ方針で、既にインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイと交渉を開始している。[EU規制]
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