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概要

NNA_kanpasar_vol.26

22 KANPASAR今はどんな企業もアジアに進出するようになりました。レオパレス21が日本国内で管理している賃貸物件のうち、54%を法人利用が占めています。こうしたベースがある中、他社との差別化を目的として、海外にもワンストップで同じサービスを提供していこうと考えました。もともと東アジアには現地法人や支店を持ち、主に留学生を対象に日本国内のレオパレス物件を紹介するインバウンド事業を展開していましたが、次は海外進出する企業にも物件を仲介しようと、2013年からタイとベトナムを皮切りに東南アジア諸国連合(ASEAN)でのアウトバウンド事業を開始しました。日本の社宅のような感覚で住める住宅を提供しようという考えです。建物の備品が壊れた時のレスポンスなど、日本のサービスは非常にきめ細かいです。こういった良い習慣は海外でも取り入れていこうと思いますので、建物の管理には特に力を入れています。駐在員向けに自社物件を運用レオパレス21の国際事業では、サービスアパートメント(部屋の清掃などホテルのようなサービスが付くアパート)やサービスオフィス(業務に必要な備品や設備に加え、共有の会議室などを備えたオフィス)の運営も手掛ける。海外初の自社運営物件は、15年10月にタイ・チョンブリー県のシラチャー郡でオープンしたサービスアパートだった。この物件は、日系企業が多い工業地帯の近くでタイ人が所有し、主に日本人向けに運営していたものを当社が購入しました。当初から稼働率が80%くらいありましたが、日本国内での事業のノウハウを生かし、今後のサービスなどを日本人的な感覚で運営していこうと考えました。おかげさまで稼働率は95%くらいまで上がっています。24時間のセキュリティー体制の実現や、当社スタッフによる日本語対応、細かい備品の設置、清掃まで、全てを日本のクオリティーに合わせるように管理・運営しています。東南アジアは日本に比べ、サービスが属人的になるということがありますよね。ですから、そのように人に頼るのではなく、均一なサービスを提供できる仕組みを作っていく必要があると思っています。タイは東南アジアの中でホスピタリティーが非常に高い国だと認識していますが、サービスをよりきめ細かくすれば顧客満足度はさらに上がっていくのではないかと思います。セキュリティーシステムを導入したり、テレビモニターやインフォメーションボードを替えたり、当社ではこういった細かい改善を進めています。16年8月には、マスターリース(転貸を前提にオーナーから不動産を一棟賃借すること)形式でベトナム・ハノイ市の中心部にサービスアパートの運営を始めました。こちらは、現地のデベロッパーが日本人などを対象に作った物件で、当社が運営を引き継いでからはさらに改装を行っており、フィットネスジムやレストランなどを新たに設置する予定です。初の開発物件を今年開業今年6月頃には、海外で初めての自社開発物件としてカンボジアの首都プノンペンでサービスアパートの開業を予定しレオパレス21取締役 副社長執行役員深山忠広みやま・ただひろ1966 年生まれ、50 歳。85 年にミヤマ(現レオパレス21)入社。2003年から取締役、14 年から現職。現在は営業総本部長、コーポレート業務推進本部長、賃貸事業部長を兼任する。13 年からアウトバウンド事業を主導し、国際事業を統括している。経営者としてのあり方は、「常に謙虚でないといけないと思います。やはり5 年後や10 年後を常に意識していたい」Photo by Mayumi TAKAHASHIワンルームを中心に約57 万戸と業界トップクラスの賃貸管理戸数を誇るレオパレス21。2013 年から本格化させた国際事業では、アジアに16 拠点を持ち、日系企業向けのサービスなどビジネスを急速に拡大している。「成長戦略事業」に位置づけている国際事業について、深山副社長に話を聞いた。トップは語るTop Interview国際事業を本格化アジアへの貢献意識して