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概要

NNA_kanpasar_vol.25

KANPASAR 19未踏の地、思った以上に潜在市場名称ドルメンモール概要2011年9月開業。英系百貨店デベナムズや仏カルフール系スーパーマーケット、米ファストフード、トリンプやクロックスなど欧米ブランドが多数入居アクセスカラチ市中心部から車で約20分。クリフトン海岸にあるポイント女性の水着が堂々とマネキンに陳列されている光景や、開放的で洗練された中間~富裕層向けのトレンドが垣間見える。閉ざされたパキスタンのイメージが覆されるだろう日系企業の進出状況バングラより少ない日系進出「競合不在」をチャンスに消費者向けBtoC企業は自動車・バイクや今年7月に販売の現地法人を設立した味の素を除くと、ほとんどないのが実態だ。日系企業は約80社。これはパキスタンから独立し、経済水準が低いバングラデシュの約250社よりも少ない。治安イメージが悪いパキスタンでは、日系企業数はなかなか増えない。しかし、裏返すと競合が不在というアドバンテージを持ち、既に進出した企業にとっては業績が好調な要因ともなっている。日本貿易振興機構(ジェトロ)の15年の日系企業実態調査によると、パキスタンについて「事業拡大の意欲がある」と回答した企業の割合は76.7%に上り、調査対象のアジア・オセアニア20カ国・地域では1位だった。黒字との回答は73.3 % で3 位(14 年は1位)。事業に前向きに取り組む姿が浮き彫りになっている。年間22万台の自動車市場は小型車に人気が集まり、排気量1300cc のトヨタ「カローラ」はこのうち5万7,000台を占める。小型自動車の受容性と、ほぼ100%が日本車という市場が形成されたのはスズキの影響が大きい。同社は1958年には日本からパキスタンへの輸出を開始。日本で販売していた軽自動車がパキスタンでもよく売れて、75年にはいち早く現地生産に着手した。現在はパキスタン市場で首位を独走する。ほかにも進出はしていないが、輸出販売では明治乳業をはじめとする粉ミルクが絶大な信頼と支持を得ている。パキスタンでは健やかに育っている子どものことを「メイジ・ベビー」と呼ぶほどだ。名称開始時期事業アトラス・ホンダ1962年財閥アトラスとの技術提携で、50年以上前に二輪車の現地生産を開始。ホンダブランドの四輪生産・販売は別法人が手掛けるパック・スズキ・モーター72年二輪・四輪自動車の生産。1958年に日本から四輪車の輸出を開始。軽自動車が好調で、スズキの輸出の4分の1を占めていた時代もある。1972年に二輪、75年に四輪の生産を開始オリックス・リーシング・パキスタン86年7月パキスタン最大手のリース会社。機械設備や自動車をリース。今年7月にはイスラム金融企業の買収を発表味の素ラクソンパキスタン2016年7月現地の有力財閥と合弁でカラチ市に設立。ハラル認証済みの調味料を同社インドネシア拠点から輸入するNNA調べホンダの販売店=カラチマツダのトラック。パキスタン流の装飾だが、インド風にも似ているテナントの英系百貨店。女性水着売り場にハイレグを着たマネキンパキスタンの イメージ覆る攻略の観点インドと分けるべき独自の市場圏隣国インドとの自由貿易は制限されており、一体化した市場になることは難しい。パキスタンは2012年2月、輸入を2,000品目のみ認めるポジ品、医薬品などは引き続き制限対象となったが、今後の経済・人的交流の促進が期待された。しかし、インド経済に飲み込まれるというパキスタン側の危機感や自由化に反発する声もあり、13年のパキスタン・シャリフ政権、14年のインド・モディ政権以降は進展がみられない。一方、隣国の内陸国アフガニスタンにはパキスタンのカラチ港を経由して石油製品や自動車が運ばれるなどパキスタンが輸送ハブとなっており、人口3,000万人近い同国へのアクセスは良い。パキスタン産の製品はアフガニスタンを経由し、無関税で中央アジア諸国に輸出することも可能で期待も高いが、その場合は中国製品と競合することになる。まずは、人口2億人のパキスタン一国をターゲットとした戦略が現実的だろう。ここを見るべし!視察ポイント小売・物流業は外資100%の進出が可能。都市部では自家用車を運転し、ファストフード店で食事をする女性が増えており、意外なほどオープンな国だ。揺籃(ようらん)期の今が、ビジネスの種をまく好機といえよう。(NNA 編集局 遠藤堂太)パキスタンの進出魅力度評価:A欧米テイスト満載のモールドルメンモールのフードコート。女性客が非常に多い(安藤公秀提供) ティブリスト方式から、輸入禁止を一部(1,200品目)に限定するネガティブリスト方式に転換。インドが輸出したい繊維製品、自動車部品、化学