ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

NNA_kanpasar_vol.25

10 KANPASAR国内の飲料事業は売り上げの6割近くを占める主力の缶コーヒーが伸びており堅調です。今年は新商品「うまみブレンド」を発売したほか、ボトル缶のシリーズ「世界一のバリスタ」も好調。天候が良かった今夏は水やお茶なども売り上げに貢献しています。通期の売り上げについては気候など変動要因も大きいことから、保守的に見た「据え置き」の予想ですが、下期も順調なら増収増益で着地できる見通しです。今年4月からは新たに提携したキリンビバレッジの自販機にもコーヒーを出荷し、売り上げ増につながりました。当社の自販機ではキリン「午後の紅茶」2品を販売。ブランド力がある商品で自販機全体の売り上げ増にも貢献しています。これから秋や冬のホットドリンクの時期も含めて1年ほど続けてみて効果を検証し、次の展開を検討していきたい。最近はコンビニ各社のカウンターコーヒーが発売されて缶コーヒーも影響を受けたんですけれども、それまで消費量が横ばいだったコーヒー市場は上向きました。お客様がカウンターコーヒーから缶コーヒーに回帰する動きも見られます。新しくコーヒーを飲むようになったお客様の選択肢の一つとして、缶コーヒーを選んで頂けるような提案をしていかなければいけないと思っています。例えば、新商品のうまみブレンドは、従来は缶コーヒーを飲まなかった若者向けの商品です。このように、カフェやコンビニを利用している若い方にも缶コーヒーを手に取ってもらえるように、取り組んでいます。イスラム圏がターゲット今年、トルコ食品大手ユルドゥズから飲料子会社3社を買収。マレーシアでも食品大手マミーの飲料部門に出資し、合弁会社化した。2009年にはロシア極東のウラジオストク市で試験的に自販機を設置し、13年にはロシア現地法人を設立してモスクワにも進出。その進出先は他の日系大手とは一線を画す今後、国内市場では飛躍的な成長はなかなか見込めず、海外にどんどん目を向けなければいけないと日本の多くの飲料メーカーは認識しています。ただ、海外に出ると今度はコカ・コーラ、ペプシなど知名度があるグローバルブランドと対決することになる。特にアジアでは現地のブランドもたくさんあるので、その中でどのようなポジションを取っていくかが一番の課題になります。当社は後発なので、今からグローバルブランドのコカ・コーラやペプシと真っ向から勝負しようとは全く考えていません。ダイドーがアジアに進出する上では、大手にないユニークな商品やクオリティーを志向した商品開発、ブランド展開をしていく。そういうポジショニングが目指す方向性かなと考えます。進出先としては14年度から進めてきた中期経営計画で中国、ロシア、イスラム圏という3つのターゲットエリアを定めています。イスラム圏ではトルコとマレーシアに参入したところで、両国の事業は8月末に発表した第2四半期決算での増収に大きく寄与しました。来期からダイドードリンコ代表取締役社長髙松富也たかまつ・とみや1976年生まれ、40歳。2001年、京都大学経済学部卒業後に三洋電機入社。04年4 月、ダイドードリンコ入社。08年、取締役。常務取締役、専務取締役、取締役副社長を経て14年4月より現職。祖業である大同薬品工業の創業者、髙松富男氏を祖父に持つ。経営者としてのタイプを自己分析すると「ワンマン型ではなく社内プロセスを重視し、組織として決断する。優しい方だと思います」とのことPhoto by Mayumi TAKAHASHI全国28 万台、自動販売機の保有台数は国内3 位。自販機での売り上げ比率は業界平均の約3 倍にも上る「自販機のダイドー」。ユニークさを信条に大手にない個性豊かなドリンクを繰り出す。実はロシア、トルコなど日系の飲料企業が少ない新興市場も早くから目を向け、独自のアプローチを試みている。トップは語るTop Interview自販機のダイドーアジアで歩むユニークな道