ブックタイトルNNA_kanpasar_vol.22
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NNA_kanpasar_vol.22
KANPASAR 3それぞれの祝祭さらにごちそうで満足クトゥパに合わせて食べるのが「ルンダン」。肉や海鮮などの具をココナッツミルクで長時間煮込んだもので、カレーのような味だ。唐辛子、ニンニク、クミンなどさまざまな香辛料を加えて煮込んでおり、家庭によってレシピはさまざまだ。中華レストランでは春節の特別メニューとして登場するが、シンガポール人は家庭で楽しむことが多い。スーパーでは魚生キットが12Sドルから販売されている。サーモンなどの刺身にダイコン、ワンタンの皮、ポメロ(柑橘果物)、落花生、赤や緑の寒天などの具材にゴマやコショウ、甘酸っぱいプラムソースなどをかける。家庭ではみんなが魚生作りに参加するクトゥパはマレー半島北部ではもち米を使った三角の形状、南部ではうるち米を使った四角の形状のものが多い※「スチームボート」と呼ばれる。春節前夜のディナーから家族や親戚が集まって食べることが多い。白菜やネギなどの野菜、きのこ類、エビや白身魚、肉団子、豚肉など具だくさんだ。レストランではスープは15Sドル程度からあるが、具材の海鮮類や肉類を注文するとその分高くなる。予算は1人約100Sドル。小正月に当たる「元宵節」(今年は2月22日)に食べる。甘いしょうがスープにもち米団子が入っている。中にはゴマやピーナッツソースが入っていて、その形から「家庭円満」や「一家団らん」を象徴する意味がある。家で作るか、市販の冷凍食品を購入する。価格は3 S ドルほど。ホーカーセンター(屋台街)でも購入できる。この時期のごちそうは何といってもキンキンに冷えたビール。水を掛け合って熱くなった体をクールダウンしながら、「辛いソムタム(パパイヤサラダ)を食べ、またビールを飲み……。この世にこんなにおいしい組み合わせがあったのかとこの時期の定番のごちそうはないが、親戚などが集まるので、思うほどうまい!みんなで楽しく騒ぎながら手でつまんで食べられる物が人気だ。牛肉のピリカラサラダ(ラープ・ヌア)、チェンマイ風ソーセージや豚の皮を天日で干してから油で揚げた物(写真)は、日本のスナック菓子と食感が似ているという。焼き鳥(ガイヤーン)も「ビールに合う」と、定番になっている。ラマダン中のごちそうは地域や家庭により異なる。母親の自慢の料理だったり、栄養価が高い料理だったり。一方、ハリラヤのごちそうとして知られるのは「クトゥパ」。おにぎりのようにご飯を固めたもので、これ自体に味はない。調理法はヤシの葉を編んで作った箱状の容器の中に生米を入れて約4時間ゆでる。やがて葉の間から水が中に入り、米粒が水分を吸収して膨張、容器の中で餅のようになる。さあ、スチームボートの始まりだ刺身を使った野菜サラダのような魚生手軽なつまみをみんなで食べる冷たいビールが最高のごちそう大鍋で作るルンダン※そう事情みんなでワイワイガヤガヤと手でつまめる物が人気家庭それぞれの料理魚生(ユーシェン)鍋料理湯圓(タンユエン)つまみクトゥパルンダンビール祝祭を祝う人の数だけ贈り物がある。「バレンタインデーにはチョコレート」のような定番のプレゼントはアジアの祝祭では少なく、両親をはじめとする親族、友だちや同僚の間で食べ物を贈り合うのが一般的だ。そして、みんなで集まれば食べるのはごちそう。シンガポールの「魚生」や「湯圓」が定番といえるが、他は家庭によってそれぞれのごちそうがある。実際のところ、集まったみんなの笑顔が一番のごちそうなのだ。取材・写真 Green Create、※はマレーシアごはんの会提供 取材時期2015年10、11月