ブックタイトルNNA_kanpasar_vol.22
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NNA_kanpasar_vol.22
10 KANPASARAEC×IoTでつながるアジアの製造業NNAアジアカンファレンス2015東アジア・アセアン経済研究センターの木村福成氏エイムネクストの清威人氏電通国際情報サービスの荻野博裕樹氏NNAの高田英俊記者NNAは2015年12月3日、今回で3回目を迎えるNNAアジアカンファレンスを東京都港区のTKPガーデンシティ品川で開催した。今回のテーマは世界の製造業が注目する「AEC」(ASEAN 経済共同体)と「IoT」(モノのインターネット)。ASEAN経済研究の第一人者である慶応義塾大学大学院経済学研究科委員長の木村福成氏による基調講演をはじめ、識者による講演が行われた。基調講演AEC発足後の展望とものづくりニッポンへの影響ERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)チーフエコノミスト慶応義塾大学大学院経済学研究科委員長木村福成氏講演1スマートファクトリーによって最大化するAEC時代のSCM・生産パフォーマンスエイムネクスト 代表取締役清 威人氏調講演を務めた木村氏は、まずAECが掲げる4つの柱「単一市場と生産基地」「競争力ある経済地域」「公平な経済発展」「グローバル経済への統合」について、現時点での進捗状況を中心に説明した。その上で、「発展途上国を主体とする経済統合としては、AECはずば抜けた成果を上げている」と評価してみせた。なかでも関税の撤廃は進んでいるといい、先行6カ国では99%以上の品目で関税ゼロをすでに実現。後発4カ国も、17年に同水準の自由化を目指す。製造業における投資の自由化・円滑化、航空サービスも自由化が進んでいる分野だ。ただ、一口にASEANと言っても、各国の経済成長の度合いや市場開放の程度には大きなばらつきがある。木村氏はASEAN各国の所得水準や開発状況がそれぞれどの程度の段階にあるか、あらためて比較してみせた。カンボジア・ラオス・ミャンマーは初期的で「国際的な生産ネットワークへ参加している段階」、次が「産業集積が形成される段階」のベトナム・フィリピン・インドネシア、最も進んでいるのが「イノベーション・ハブの創出が可能となる段階」にあるタイ・マレーシア・シンガポールだという。「日本は各国のステージに応じたグローバル・バリューチェーンを念頭におき、ASEANと付き合うことが大事」(木村氏)。その上で、ASEANにおいては16年以降、産業集積の形成やさらに先の段階のイノベーション・ハブの創出にウエートを置くことが焦点になってくると指摘する。最後はTPP(環太平洋パートナーシップ)協定やRCEP(東アジア地域包括的社工場の検査工程のおよその数と、その中で昨年1年間に不良品が発見されなかった工程の比率は何%か」「工場の電気代は年間いくらか。何に電気代が最もかかっているか」「間接部門も含め、工場内で作成されている帳票数はおよそ何種類か」これらを的確に把握している企業はどれほどあるだろうか。すでに製造現場では管理が必要な項目が多くなりすぎ、書類は飽和状態。従来の管理手法では限界に達している。そのような状況に対し、エイムネクスト代表取締役の清威人氏は「製造現場がものづくりだけでなく、書類づくりに追われている。帳票を作成するための間接人件費が直接人件費を上回る場合すら珍しくない」と断ずる。そこで、生産管理や基幹業務の管理システムなどをネットワークで結び、生産現場で起きている問題を「見える化」しようというのが同社開発の次世代工場内インフラ「スマートファクトリー」だ。清氏は、検査工程の品質改善を例に挙げ、同システムによって検査装置からデータを直接取得できるようになり、不良品の発生傾向を明確に知ることができると話す。不良がない工程については無駄な検査をあらかじめ省くことができるし、不良の多い工程は検査の優先順位を上げて対応することができる。帳票作成のコ経済連携)といった交渉の動きを説明しながら、「一応の完成を見たAECが、今後これらの国際通商政策の中でいかにセントラリティー(中心的位置)を高次化できるか。それを日本がいかに側面支援できるかが大事になる」と、まとめた。基「自N N A A S I A C O N F E R E N C E 2 0 1 5