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概要

NNA_kanpasar_vol.20

KANPASAR7キヤノンITソリューションズ株式会社スマホでカンタン・手軽に“ホンモノ”を瞬時に見分ける中国でキヤノンITソリューションズが開発したRFID(無線通信技術)を利用した「正規品判定システム」が評判になっている。複製がほぼ不可能なICチップとスマートフォンを組み合わせて、消費者が店頭で手軽に真贋(しんがん)判定できる画期的なシステムだ。模倣品対策に頭を悩ませる、様々なメーカーや商社から注目されている。カンタン確実な正規品判定を、リーズナブルなコストで提供いま、中国のカメラ売り場で、ちょっと変わった光景が見られるという。山と積まれたカメラの箱を前に、買い物客が一斉にスマホをかざしては、「おー、これは本物だ」と歓声があがる。どうやら、スマホを使って正規品かどうかを確認している様子だ。キヤノン中国が2013年8月から、中国国内向けに販売する一眼レフカメラや交換レンズ、コンパクトデジカメなどを対象に導入した「正規品判定システム」の利用風景である。なんといっても、操作がカンタン。何桁もの数字やアルファベットを入力する必要は一切なし。スマホのアプリを起動して、製品パッケージに近づけるだけ。あとは自動的にその製品が正規品かどうか判別してくれるというものだ。正規品が消費者の手に確実に届く。開発はキヤノングループのキヤノンITソリューションズが担当した。最近のアンドロイドスマホのほとんどに装備されているNFC機能(RFID読み書き機能の一種)を活用するため、多くのユーザーがこのシステムを利用可能だ。システムに採用したPUFというICチップは偽装や複製がほぼ不可能。特殊な認証機能を持ち、セキュリティ性能は極めて高い。チップを内包したラベルには剥がしにくい特殊なのりを使い、力を入れるとRFID部分が切れて作動しなくなる細工も施してある。このシールを商品箱の開封口に貼り、未開封証明ラベルの機能も持たせている。現在、キヤノンITソリューションズは他社向けにも販売をしており、ICチップを搭載したラベルと専用サーバーをセットで提供、適用する商品によるが、目安として商品ラベル1枚あたり100円以下での導入が可能だ。品スかマどホうのかアがプ確リ認画で面きでる正規に角Rよ度FるにI正よD規りが品色内判蔵が定さ変もれ化可たす能ラるベホルロシグーラルム。顧客・販売情報の収集などマーケティングにも応用可能最近は、中国の白酒メーカーや欧州の高級ウイスキーメーカーがRFIDを使った偽造防止策を導入し始めたようだ。キヤノンITソリューションズでも、薬や化粧品、酒などの品種で導入効果が高いと見ている。アジア各国へ製品を輸出する日系企業をはじめ、現地企業にも販売活動を展開していく計画だ。また、「正規品判定」以外の用途、たキヤノンITソリューションズ株式会社グローバル事業推進センター+81-3-6701-3357(代表)globalsolutions@canon-its.co.jpとえばマーケティングなどにも応用可能だ。消費者がサーバーにアクセスしてくる機会を捉え、商品情報やイベントの告知をしたり、逆に利用状況を把握する事もできる。別途システムを組めば、スマホの位置情報を用いたトレーサビリティーや在庫管理など物流システムとの連携も可能となる。佳能信息系統(上海)有限公司+86-21-6428-0648(代表)solutions@canon-its.com.cn導入事例CASE【キヤノン中国】カメラ商品にキヤノンITソリューションズの正規品判定システム導入「中国市場では、キヤノン製品偽装パッケージの非正規品がある」と話をするのは、キヤノン(中国)有限公司(北京市東城区)ICP産品服務支持部の山浦立身総経理だ。手口は、まず業者が中国国外でキヤノンの正規品を購入。これを中国国内で偽造したパッケージと換え、中国語の偽造の保証書を付け、電池を安い模倣品と入れ替えるという偽装販売が横行している。円安の影響などで日本の正規品は中国の正規品より安いため、業者が「中国向け正規品」と偽り、不当に利益を得ているのだ。消費者は修理する際にサービスセンターに持ち込んで初めて気付くケースが多い。「模倣品の流通は消費者への影響(品質問題)があり、かつメーカーにとっても市場でのブランド価値が低下する」と山浦さんは懸念する。これまで、模倣品対策は「イタチごっこだった」という山浦さん。根本的な対策を考えた末、キヤノンITソリューションズの正規品判定システムを中国で販売する商品に導入した。導入後1年半で、RFIDチップを貼り付けた商品300万点近くを出荷した。「写真にこだわる人が多い中国だからこそ、安心して正規品を消費者にお届けする意味は大きい」と山浦さんは話す。キヤノン中国は今後、RFIDチップにカメラ機種などの情報も盛り込み、どの地域でどんな機種が売れているのかの市場分析を行うことも検討している。その利用価値は模倣品対策にとどまらない。