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概要

NNA_kanpasar_vol.20

16 KANPASARPRODUCTネット8オリセット(R)住友化学PRODUCT9エコピカアクアグリーンテック価格は500mlが15リンギ(約500円)、5Lが150リンギ(アクアグリーンテック提供)マラリア防ぐ蚊帳で感染減へ貧困地域、モールで販路拡大ベトナムとカンボジアで販売しているトップバリュのオリセットネット(住友化学提供)ハラル認証取得の除菌水安心・安全で清掃変えるマレーシアに拠点を置く日系メーカーのアクアグリーンテックは、アルコールを使用しない洗浄除菌水「エコピカ」を開発し、昨年12月にマレーシア・イスラム開発局(JAKIM)のハラル認証を取得した。エコピカはアルカリ濃度が高い電解水。油汚れなど酸性の汚れに対し、アルカリ反応で洗浄ができ、大腸菌やサルモネラ菌なども一度に除菌できるという。同社の冨田佳之CEOによると、モスクや空港・商業施設などの祈とう室、ハラルレストランなどでは、イスラム教の戒律によりアルコール除菌を行っていない。モスクは水拭き、飲食店は塩素系洗剤を使用していることから、エコピカで衛生面の向上や洗浄作業が短縮できるという観点で需要を見込んだ。現在ハラルレストランで使われているほか、日系ショッピングセンターの清掃用に試験導入されている。清掃員はネパール出身の出稼ぎ労働者が多く、ムスリムとは限らないという。だが地場の洗浄用溶剤と比較して、エコピカは安全性が高いこともアピールしている。同商品を使った日式のエアコン洗浄サービスも始め、日系の工場から引き合いがあるという。冨田CEOは「今までマレーシアになかった衛生用品だが、用途はたくさんある。今後も需要を喚起していきたい」と意気込む。バングラデシュで現地の女性たちにオリセットネットの説明をするTMSSスタッフ(同)マラリアを媒介する蚊を防ぐために開発された、住友化学の蚊帳「オリセットネット」。これまで主に世界保健機関(WHO)などが購入し、アフリカを中心に各地のマラリア発生地域に提供されてきた。ただWHOの2013年推計によると、マラリアで命を落とした人は、東南アジアで4万1,000人。依然として感染リスクがあるため、同社は昨年からバングラデシュやベトナムなどでオリセットネットを販売し始めた。Insight 1BOPビジネスモデルで流通バングラデシュでは、北部ボグラで現地NGOのTMSSと連携。TMSSがオリセットネットを購入し、BOP(ベース・オブ・ピラミッド)層の人に販売する。蚊帳はポリエチレン製のネットに防虫剤が練り込んであり、防虫効果が5年以上続く上、耐久性にも優れる。効果を実感してもらった上で、TMSSのマイクロファイナンス(少額融資)で資金を得た人たちに仕入れてもらい、自ら販売することで収入を得る仕組みだ。これまで2,000張が売れ、今後さらなる普及を目指す。フィリピンでも同様のスキームで販売。ロール状のオリセットネットを現地の女性にミシンで縫ってもらう工程も加えた。生活環境事業部・グローバルマーケティング部の谷内晃部長は、「流通網は国ごとに異なるため、その国に適したやり方で普及させる」と話す。Insight 2PBブランドで一般向けにカンボジアとベトナムでは、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」と共同でオリセットネットを商品化。昨年6月から現地のイオン2店舗で販売を始めた。部屋の雰囲気に合うよう、ネットの色を従来の青から白に変えるなど工夫した。価格はカンボジアでは、シングルベッド用のMサイズが25ドル程度(約3,100円)、ダブルベッド用のLサイズが35ドル程度。通常の蚊帳よりも割高だが、両国の言語で啓発ビデオを作って店頭で放映するなどして、目標の年間1万セットの販売を目指している。谷内部長は、「AEC(ASEAN経済共同体)の発足で人の移動がより活発化すると、感染リスクも高まる」とも指摘する。ショッピングモールで拡販することで、一般消費者のリスク喚起にもつなげていく。InformationTOPIC歯カ磨ンきボ習ジ慣アの伝地え方て予で虫防歯増ハラル認証の申請は2014年5月に行い、取得まで7カ月要した。将来的にはインドネシアやシンガポールへの輸出も見据えている乳歯の虫歯数/カムカムクメール検診結果(抜粋)プノンペンカンダール州コンポンチュナン州地域セン・ソクバンティデクチュラップコントー小学校検診年虫歯の平均本数カンボジアの地方で児童の虫歯が増えている─。2006年から継続的に歯科検診と歯磨き指導をしてきた、NPO「カムカムクメール」の沼口麗子代表はこう指摘する。かつての内戦で歯科医が激減し、口腔(こうくう)保健が遅れている同国だが、経済成長に伴い所得が増え、菓子や清涼飲料を好むようになったことなどが要因とみている。例えば首都プノンペンから車で2時間ほどのコンポンチュナン州の小学校では、08年は虫歯のある児童が103人中23人と「虫歯は少なかった」(沼口代表)。だが、今年の検診で虫歯の平均本数は7.6本。都市部並みに悪化している。現在歯科医は1,200人に増えたというが、「国を挙げた啓発の必要性を訴えるとともに、少しでも予防の知識を伝えたい」(同)と、地道に活動を続けていく。沼口代表(左)から指導を受け、手鏡で確認をしながら歯を磨く男の子(撮影:高橋智史氏)検診人数13年7.6 2114年6.3 2813年13.3 5214年8.5 9714年4.5 9415年7.6 50シエムレアプ州オー村小学校15年7.3 44