NNAカンパサール

アジア経済を視る October, 2021, No.81

アジア経済のデジタル化
コロナ下で急加速

新型コロナウイルス禍、アジアで急加速しているのが経済のデジタル化だ。電子商取引(EC)のみならず、バーチャル空間の店舗やネット病院も登場。日系企業もデジタル銀行の立ち上げなど、各種デジタル技術を活用した経済発展に取り組み始めている。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。

シンガポールのシェリーギャラリーは7月、米ニューヨークでデジタル資産「ノンファンジブル・トークン(NFT)」作品の展示会を行った(トレジャーゲート提供)

シンガポールのシェリーギャラリーは7月、米ニューヨークでデジタル資産「ノンファンジブル・トークン(NFT)」作品の展示会を行った(トレジャーゲート提供)

シンガポール

現地企業がNFT事業を始動
日本の芸術家と連携、欧米で販売NNA POWER ASIA 2021年9月17日付

芸術作品を代替不可能な固有のデジタル資産「ノンファンジブル・トークン(NFT)」として取り扱う、シンガポールの「シェリーギャラリー」が本格的に事業を始動した。日本の芸術家などによる作品を米ニューヨークと英ロンドンで紹介するショーを開催。欧州では既に20万米ドル(約2,200万円)相当のNFT作品を売り上げた。2021年に入り突如話題となっているNFT市場は、芸術作品のコレクター需要を背景に今後も拡大が見込まれている。


中国

「ネット病院」が急拡大
1600カ所超え、コロナ禍で加速NNA POWER ASIA 2021年8月24日付

中国でオンラインで診察を受けることのできる「インターネット病院」が急拡大している。公立病院を中心に立ち上げる動きが進み、2015年に始まったネット病院は現在までに1,600カ所を超えた。新興技術の普及が設置を促し、新型コロナウイルスのまん延が遠隔・在宅での診断需要を押し上げている形。高齢化の進行や政策支援などといった要素も重なり、設置数と診察可能な科目が今後広がる流れにある。


インド

子どもの小遣いをデジタル化
新興ジュニオ、アプリで教育もNNA POWER ASIA 2021年9月16日付

新型コロナウイルス禍で電子決済の利用が加速する中、インドで10代の若者をターゲットにする新たなフィンテック(ITを活用した金融サービスを手がける企業)が台頭している。2020年設立の「ジュニオ(Junio)」は、子どもの小遣いをデジタル化し、ゲームを通じて金融リテラシーを育成できるアプリだ。親は子どもの支出を追跡することもできる。創業者の1人であるアンキット・ゲラ氏に、特徴や狙いを聞いた。


シンガポール

東南アジアで事業拡大
決済クレディボ、米国で資金調達NNA POWER ASIA 2021年9月16日付

「即購入、後払い(BNPL)」と呼ばれる決済サービスを提供するインドネシアのクレディボ(Kredivo)が、東南アジアでの事業拡大に乗り出した。資金調達に向けて親会社のシンガポール企業が来年にも、東南アジアのフィンテック企業として初めて米国で上場する見通し。今後はクレジットカードの普及率が比較的低い、ベトナム、フィリピン、タイでの需要を取り込む考えだ。


インドネシア

三井住友海上の自動車保険、
初のテレマティクス付帯で差別化NNA POWER ASIA 2021年8月26日付

MS&ADインシュアランス・グループ、三井住友海上火災保険の現地法人MSIGインドネシアは25日、新商品の自動車保険「FlexPro U-Drive」の発売を発表した。同社によるとインドネシア金融監督庁(OJK)から認可を受けた同国初のテレマティクスサービス付帯の自動車保険となる。


カンボジア

デジタル銀立ち上げ目指す
日系2社、金融包摂実現へNNA POWER ASIA 2021年9月15日付

小型家電のリサイクルなどを手掛けるリネットジャパングループ(名古屋市)とITベンチャーのソラミツ(東京渋谷区)は14日、ブロックチェーン(分散型台帳)を活用してカンボジアでデジタル銀行を立ち上げるとの考えを明らかにした。高い経済成長が見込まれるカンボジアで、誰もが金融サービスを利用できるようになる金融包摂(フィナンシャル・インクルージョン)の実現を目指す。

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