40歳になった。若いころは誕生日が来るたびに、「ああ、誰それが死んだ年齢になっちまった」と意味もなく焦ったものだ。24歳のときはジェームス・ディーン、29歳はマーク・ボラン(ロック歌手)という具合に。
今回はきっとジョン・レノンを思い浮かべると予想していた。だが頭をよぎったのは「後半戦に突入したぞ」。凝縮された人生を歩んだ人と比較するほど愚かではなくなったのだろう。
それでも偉大なる才能の早過ぎる死に思いをはせることはある。例えば不惑を前に心臓の鼓動が止まったボリス・ヴィアン。ジャズと自由を愛し、20もの肩書きを持つこのフランス人は、多才ぶりばかりがクローズアップされる。限られた時間しかないのを予感し、食うために小説やシャンソンを書きなぐる日々は苦悩と絶望で彩られていたはずだ。(研)
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