「英経済は伸び悩み続く」 EU離脱準備促す=アイテムクラブ

大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)が出資するシンクタンクのアイテムクラブ(ITEM Club)は17日公表した最新報告書の中で、英経済が向こう数年にわたり伸び悩むとの見通しを示した。欧州連合(EU)離脱決定後も英経済は好調という印象があるが、これは見せかけにすぎないと警告。EYは企業に対し、EU単一市場へのアクセス喪失に向け準備を始めるよう促している。

アイテムクラブは、英国の国内総生産(GDP)が今年は1.9%拡大するものの、来年のGDP成長率は0.8%に減速すると予想。ポンド安の影響でインフレ率が2.6%まで加速し、これまで成長を支えてきた個人消費が0.5%増と大幅に減速すると同時に、先行き不透明感から投資が2%以上縮小する見通しだ。

ただ、EU単一市場へのアクセスが確保されている間は、ポンド安を背景に輸出が成長をある程度下支えすると予想。輸出の伸びは来年は4.5%、2018年は5.6%に加速するとみる。また、EUとの関係が明確になるにつれ設備投資も徐々に回復し、来年は0.3%のプラスに復帰すると予想する。この結果、GDP成長率は2018年は1.4%、2019年は1.6%、2020年は1.8%と緩やかに加速するものの、当面は今年の水準まで回復しない見込み。

アイテムクラブは、英国が単一市場へのアクセスを手放してでも、EUからの移民数制限に踏み切ろうとする強硬姿勢を強めていると指摘。そうなれば、金融業のEUへの事業移転や製造業の国内投資縮小が予想され、英国のGDPは2030年までにEUを離脱しなかった場合と比べて約4ポイント縮小するとみる。

EYの首席エコノミスト、マーク・グレゴリー氏は「英経済はブレグジット決定により崖から転落したわけではないが、喜ぶのは早い」とコメント。企業は今のところ様子見の姿勢を示しているが、現時点ではEU離脱交渉が強硬路線に進み、単一市場へのアクセスが失われる可能性が最も高くなっていることから、そろそろ事業戦略の見直しに着手する必要があると話している。[EU規制]


関連国・地域: 英国EU
関連業種: 経済一般・統計製造一般金融・保険商業・サービス社会・事件政治

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