英政府、新原発計画を正式決定 インフラの外資受け入れは規制へ

英政府は15日、フランス電力公社(EDF)がイングランド南西部サマセット州で進める総工費180億ポンドの新規原子力発電所「ヒンクリーポイント(Hinkley Point)C」建設計画にゴーサインを出した。同計画は7月末にEDFが最終投資決定を下したものの、メイ首相が予想外の待ったをかけていた。中国国営企業の出資を受け入れる点などが問題視されたとみられている。政府は今回、今後のインフラプロジェクトへの外資受け入れを規制する方針を併せて示した。

政府は「同プロジェクトを包括的に再審査し、EDFとの合意を修正した上で、約30年ぶりとなる新規原発計画を進めることを決めた」と説明。ただ、「原発を含む重要インフラに対する将来的な外国投資については、新たな法的枠組みを課す」と述べ、「ヒンクリーポイントC」以降のプロジェクトにこれを適用する方針を示した。今後の新規原発プロジェクトでは政府が特別株式を取得し、政府に無断で多数株を売却できないようにする。

また、EDFとの新たな合意に基づき、同社が「ヒンクリーポイントC」の完工前に経営支配株式を英政府の合意なく売却することを阻止できる。完工後の売却については、もともと既存の法律で政府による阻止が認められている。政府は今後、重要なインフラプロジェクトへの外国投資に関する姿勢を見直し、国家安全保障の面から厳しく審査する方針を示した。

「ヒンクリーポイントC」の総工費180億ポンドのうち、EDFは66.5%を負担し、残りの33.5%は中国広核集団(CGN)が出資することになっている。EDFは今回の発表を受け、「10年にわたる準備と綿密な計画が実を結んだ」と喜びを示した。また、CGNも政府のゴーサインを歓迎。英国内の別の2カ所でEDFと進める新原発プロジェクトについても懸念はしていないことを明らかにした。

同社とEDFは、イングランド南東部サフォーク州のサイズウェル(Sizewell)と南東部エセックス州のブラッドウェル(Bradwell)に共同で新原発を建設する予定。中でもブラッドウェルではCGNの原子炉「華竜1号」を採用することが決まっている。CGNは「ヒンクリーポイントC」への出資に応じる条件として、両新原発プロジェクトでの発言権拡大を求めたと報じられている。[環境ニュース][M&A]


関連国・地域: 英国フランスアジア
関連業種: 電力・ガス・水道金融・保険建設・不動産政治

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