英企業の雇用意欲が減退 ブレグジットで慎重に=金融など

英国では欧州連合(EU)離脱決定を受け、多くの業界が新規雇用により慎重になっている——。米総合人材サービス大手マンパワーが13日発表した「雇用予測調査」から、こうした実態が明らかになった。第4四半期(10~12月)は調査対象の9業界のうち6つの業界で前期より雇用意欲が減退。中でも金融サービスや建設、公益事業で悪化が目立つ。

マンパワーは世界42カ国・地域で四半期ごとに調査を実施。英国では今回、英国のEU離脱決定の直後、2,102社を対象に第4四半期の雇用見通しを尋ねた。それによると、全体では雇用を第3四半期より「増やす」とした企業の割合が「減らす」を5ポイント上回った(季節調整済み)。ブレグジットで雇用が減るとの予想に反し、第3四半期と同水準の伸びを維持している。

業界別でも鉱業以外の全業界でプラスを確保したものの、前期と比べると減速が目立つ。中でも建設、ビジネス・金融サービス、公益事業の3業界はいずれも前期から4ポイント悪化。製造も、通貨ポンド安による輸出の後押しにもかかわらず2ポイント悪化している。このほか、運輸・通信や公共部門でも雇用意欲が減退している。ただ、ホテル・小売りはポンド安の恩恵で、前期より雇用見通しが3ポイント改善した。

マンパワーの英国事業を率いるマーク・ケイヒル氏は、「英国はブレグジット決定当初のショック期を脱し、経済見通しの不透明感が長く続く新段階に移行しつつある」と分析。欧州出身の人材に頼る英企業はEUとの人の移動の自由が失われることを懸念しているほか、金融業界はEU全域で事業を行えるパスポート制度からの除外を恐れており、これが雇用意欲の減退につながっているとみる。

なお同社によると、アイルランドの首都ダブリンでは、ブレグジット決定後に金融機関の人材募集に対する応募件数が9倍に増加している。同国の金融当局は先に、英国の金融当局で勤務経験のある人材採用を狙っていると報じられていた。[労務][EU規制]


関連国・地域: 英国EUアイルランド米国
関連業種: 経済一般・統計IT・通信製造一般電力・ガス・水道金融・保険商業・サービス建設・不動産運輸・倉庫観光・娯楽雇用・労務政治

その他記事

すべての文頭を開く

通信テレフォニカ、第4四半期は黒字復帰(02/24)

スペインの通信大手テレフォニカは23日、第4四半期(2016年10~12月)の純利益が1億4,500万ユーロとなり、…

続きを読む

英国の移民純増数、27万人に減速  ブレグジット決定後の結果反映(02/24)

政府統計局(ONS)は23日、英国への移民の純増数が2016年9月までの1年間で27万3,000人となり、前年から…

続きを読む

NAS、英・アイルランド―米国の格安便を就航(02/24)

格安航空大手ノルウェー・エアシャトル(NAS)は23日、英国・アイルランドの計5都市と米ニューヨーク州…

続きを読む

レゴの屋内型アトラクション、ハンガリー進出へ(02/24)

娯楽施設の運営を手掛ける英マーリン・エンターテインメンツが展開する「レゴランド・ディスカバリー・セン…

続きを読む

乗用車生産、1月は過去9年で最高記録(02/24)

自動車製造取引業者協会(SMMT)は23日、1月の英国の乗用車生産台数が14万7,922台となり、前年同月比7…

続きを読む

GfK消費者信頼感、3月は4カ月ぶりに悪化(02/24)

市場調査会社GfKは23日、ドイツの3月の消費者信頼感指数が10ポイント(予測値)となったと発表した。前…

続きを読む

自動車PSA、通期は78.8%増益(02/24)

仏自動車大手PSAグループ(旧PSAプジョー・シトロエン)は23日、2016年12月期の純利益が21億4,900万ユ…

続きを読む

<連載コラム・欧州M&A最前線> 2017年1月の動き(02/24)

【自動車・二輪車】 <英国> ◇住友ゴム、英タイヤ販売MDを買収 住友ゴム工業は1月5日、英プライベ…

続きを読む

金融バークレイズ、通期は黒字復帰(02/24)

金融大手バークレイズは23日、2016年12月期の純利益が16億2,300万ポンドとなり、3億9,400万ポンドの赤字を…

続きを読む

ガス・電力セントリカ、通期は4%増益(02/24)

英ガス・電力大手セントリカは23日、2016年12月通期の営業利益(特別損益除く)が15億1,500万ポンドとなり、…

続きを読む

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社エヌ・エヌ・エーは一切の責任を負いません。

各種ログイン